預かり在庫は下請法(取適法)でどう扱う?無償保管の記録と申入れ【2026年版】
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預かり在庫は下請法(取適法)でどう扱う?無償保管の記録と申入れ【2026年版】

2026年9月28日17分で読める

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預かり在庫は、発生理由、所有者、受領前後、保管対象と期間を分けて記録し、費用と処分方法を取引先へ確認します。下請法(現在の取適法)との関係は、無償という一点だけで決めず、取引の性質、必要性、受託側の負担、協議経緯を含む事実から確認します。

完成品・型・治具の発生理由と所有者を分ける預かり在庫管理
完成品・型・治具の発生理由と所有者を分ける預かり在庫管理

預かり在庫と無償保管の論点

預かり在庫・受取延期・自社在庫の違い

預かり在庫は、他社に所有や引取りの関係がある完成品、型、治具などを自社や協力工場で保管している状態です。受取延期は当初の受領前に引渡しが延びている場面、自社在庫は自社の販売・生産判断で保有する資産を中心とするため、記録すべき論点が異なります。まず製造委託と売買の違いで取適法の対象になり得る取引かを確認し、受領前なら受領拒否と納期延期へ事実をつなぎます。

社内で「預かり」と呼んでいても、所有権や受領の法的結論が確定しているとは限りません。発注、引渡し、請求、相手の保管依頼を照合し、現物の状態と契約上の扱いを分けて記録してください。一つの倉庫に三つの状態が混在する場合は、床や棚の区画だけでなく、品番ごとの台帳で区別します。

状態発生の起点主な確認事項
預かり在庫相手の引取り待ち、追加発注待ち所有、期間、費用、返却・処分
受取延期品当初受領前の延期依頼当初納期、変更理由、再納期
自社在庫自社の仕入・生産判断在庫責任、販売・転用計画

自社保有の残反は生地在庫・残反の削減で扱い、相手都合の保管と混同しないようにします。

完成品と型・治具では確認項目が違う

完成品は、品番、色・サイズ、数量、検品、梱包、受領状態、保管中の品質リスクを確認します。型や治具は、識別番号、所有者、使用する品番、最終使用日、保守の要否、再使用条件、返却・廃棄権限が中心です。完成品と同じ数量表だけで管理すると、型の存在や処置権限が見えません。取適法本文5条2項2号の経済上の利益の提供要請との関係も、保管の必要性と負担を含む実態から確認します。

現物には台帳と一致する管理番号を付け、写真には番号と撮影日が分かるようにします。型や治具は一式を構成する部品がそろっているかも確認し、貸出しや修理で場所が変わるたびに履歴を更新してください。完成品は定期的な外観確認、型は防錆や変形防止など、対象に合う保管作業を記録します。

完成品と型・治具で異なる保管確認項目を比較する棚と台帳
完成品と型・治具で異なる保管確認項目を比較する棚と台帳

発生源別に記録と申入れを進める

受取延期・分納指示から発生した場合

受取延期や分納の指示で完成品が残ったら、元の発注数量、当初納期、延期・分納の依頼日時、すでに引き渡した数量、残数量を確定します。残品には発注番号と保管開始日を表示し、梱包状態と保管場所を写真で残してください。分納のたびに残数を更新し、最終受領予定日を置きます。受領前か受領後かが曖昧なら、引渡し書類、受領連絡、請求条件を照合し、担当者の呼称だけで決めません。

分納ごとに出庫日、送り状、引渡数量、残数を記録し、相手からの受領連絡と突き合わせます。色・サイズの振替があった場合は、元の内訳を消さず、変更指示と実際の出庫を残してください。再納期が未定でも、次回回答期限を設けて、保管状態と費用協議を継続します。

追加発注待ちで型や治具を持つ場合

「次回も使うかもしれない」という理由で型や治具を保管する場合は、対象品番、所有者、保管依頼者、保管開始日、使用見込み、連絡期限を記録します。期限を設けずに持ち続けると、倉庫費用だけでなく、錆、変形、紛失、所在不明のリスクが増えます。材料と型の所在を整理する際は生地発注・仕入先管理も参照し、現物の識別番号と台帳を一致させます。

追加発注があった場合は、保管中の型をそのまま使えるか、仕様改訂や設備変更で調整が必要かを確認します。最終版との一致、修理履歴、試し加工の要否を記録し、古い型を誤使用しないようにします。使用見込みがなくなったときの返却、売却、廃棄は、所有者の承認を得てから実施します。

追加発注を待つ型・治具を識別番号と保管期限で管理する様子
追加発注を待つ型・治具を識別番号と保管期限で管理する様子

費用・期間・返却・処分を協議する

申入れでは、保管対象、数量、場所、開始日、必要面積、入出庫作業、状態確認など、実際の負担を示します。そのうえで、保管期間、費用、保管中の責任、引取日、返却先、廃棄の承認方法を協議してください。相場だけを示すのではなく、自社で発生している作業や外部倉庫の証憑を根拠にします。公正取引委員会の運用基準と取適法の全体像を確認し、適法性は個別事実にもとづいて判断します。

協議書には、費用が発生する起点と終了条件を記載します。保管対象が減った場合の計算、倉庫を移した場合の費用、引取り準備に必要な日数も確認してください。回答のないまま保管を続ける場合は、一定期間ごとに数量と負担を更新して再度申し入れ、前回の回答との違いを残します。

預かり在庫の状態管理表

所有・受領・場所・期間・協議を一覧にする

管理表は品番や対象物ごとに一行を設け、所有者と受領状態を別欄にします。保管場所は工場名だけでなく棚や区画まで記録し、開始日と終了条件を置いてください。費用申入れの日時、相手の回答、次回確認日を追うと、回答待ちのまま放置されるのを防げます。元の条件はMOQ・LT・支払条件と照合し、取引条件と保管条件の追加・変更を区別します。

現物棚卸しでは、台帳数量、現物数量、差異、確認者、確認日を記録します。差異があれば、分納、サンプル抜取り、修理、廃棄などの移動履歴へ戻り、原因が確定するまで未解決として追ってください。終了した行も削除せず、引渡しや廃棄の証拠と終了日を残すと、後から保管期間を説明できます。

月ごとの確認では、終了条件を過ぎた対象、相手の回答がない対象、状態劣化の兆候がある対象を優先します。保管期限を延長するときは、以前の期限を消さず、延長を決めた日、理由、新しい期限を記録してください。

協力工場に現物がある場合も、自社の一覧から外さず、工場側の棚卸し結果を受け取ります。移管や返却の際は双方で数量と状態を確認し、受渡し後に保管責任がどこへ移ったかを台帳へ反映します。

所有・受領・場所・期間・費用協議を一覧にする状態管理表
所有・受領・場所・期間・費用協議を一覧にする状態管理表
発生理由品番・対象物所有者受領状態数量保管場所開始日・終了条件費用申入れ回答
延期・分納等色・サイズ・型番号契約と事実で確認受領前・受領後現物と照合棚・区画まで記録期限と処置条件日時・根拠・金額合意・回答待ち等

預かり在庫の管理方法を整理したい方は、資料請求をご利用ください。

預かり在庫に関するよくある質問

保管を頼まれたら必ず断るべきですか

依頼を受けた事実だけで、一律に断るべきとも受けるべきともいえません。生産継続に必要か、期間は明確か、費用と保管責任は誰が負うか、返却や処分の手順があるかを確認します。受託側だけへ不利益が偏っていないかを取引経緯とともに整理し、合意できる条件を文面で残してください。判断が難しい場合は、具体的な依頼資料を示して専門家や所管機関へ確認します。

緊急に受け入れる場合も、暫定期間、対象数量、状態確認、次回協議日を定めます。恒久的な無期限保管へ自動的に移らないよう、暫定合意の終了条件を明示してください。

受領前と受領後で何が変わりますか

受領前なら、当初納期と受取延期の理由、受領拒否との関係が中心になります。受領後なら、所有者、保管を改めて委託した条件、費用、滅失・毀損時の責任を確認します。受領という語を社内で曖昧に使わず、出荷、到着、引渡し、検収の各日時を分けてください。同じ現物でも、どの時点の話かによって集める証拠と協議事項が変わります。

一部受領の場合は、受領済み数量と未受領数量を色・サイズ別に分けます。保管場所が同じでも状態欄を共通化せず、どの数量にどの条件が適用されるかを明示してください。

保管料はいくら請求できますか

一律の相場は示せません。場所、期間、数量、必要面積、入出庫や状態確認の作業、外部倉庫、保険などの実費根拠を整理し、取引先と協議して合意内容を記録します。請求する金額だけでなく、いつからいつまでを対象にし、引取りが遅れたときにどう再協議するかも決めてください。繊維取引の保管例は繊維産業の適正取引ガイドラインも確認材料になります。

自社倉庫の費用を算定する場合は、使用面積、作業時間、管理内容など、再計算できる根拠を示します。外部倉庫なら請求書と対象在庫を対応させ、他案件の費用を混ぜないようにしてください。

保管対象・実費根拠・引取期限を取引先と協議する場面
保管対象・実費根拠・引取期限を取引先と協議する場面

預かり在庫は、発生源、所有、受領状態、現物の所在、期間を分けると論点が見えます。完成品と型・治具に合う項目で状態を記録し、費用、責任、返却・処分を相手と協議して、回答待ちも継続管理してください。

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「アパレルODM HUB」でできること

  • 素材管理:素材マスタ(仕入先・原産国・素材種別)
  • サンプル管理:サンプル試作履歴
  • ブランドCRM:ブランドマスタ・担当者情報
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