
生地の縮率を型紙へ補正する手順|測定条件・品番記録・工場合意
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生地の縮率を型紙へ反映するときは、測定結果を一律に足し引きするのではなく、測定条件、縦横の方向、材料ロット、製品部位、顧客の寸法基準をそろえて補正要否を判断します。判断後はパターン版だけを直さず、仕様書、検品基準、承認サンプル、量産寸法へ同じ変更を渡します。測定から版更新、工場合意、初回量産の確認までを一つの履歴として残す手順が重要です。
縮率・寸法変化・伸縮性を分ける

3つの用語と測定目的の違い
縮率は、洗濯や加工など所定の条件の前後で、生地や製品の寸法がどの程度変化したかを見るための値です。寸法変化には縮む場合だけでなく伸びる場合もあるため、結果の符号や表記方法を確認します。伸縮性は、力を加えたときの伸びや戻りに関する性質であり、洗濯後の寸法変化とは別に扱います。用語を混ぜると、着用時の動きやすさと仕上がり寸法の補正を誤って結び付けます。
外部の繊維試験成績書を使う場合は、結果値だけを転記せず、試料、方法、条件、方向、測定日を確認します。自社や工場で確認する場合も、顧客や検査機関と合意した条件を使います。本稿では特定の試験番号、条件、合格値を一律に示しません。品番と用途に対して、何を確かめる測定なのかを最初に固定します。
表示方法も統一します。変化前と変化後の寸法、計算結果、縮みと伸びの向きを同じ欄で確認できるようにし、符号だけに意味を持たせません。転記先では丸め方や単位を変えず、原票との差が生じた場合は修正履歴を残します。
測定条件・方向・ロットを固定する
測定記録には、生地品番、色、ロット、反番、試料採取位置、縦横の方向、前後の測定寸法、前処理、処理条件、測定時の状態を持たせます。同じ生地名でも、色や加工ロットが違えば結果をそのまま共有できるとは限りません。結果と現物を追えるよう、試料番号や写真を結びます。
方向の呼び方も統一します。生地の縦横と製品の丈・幅を対応させ、型紙のどの部位へ影響するかを明らかにします。工場から値を受け取った場合は、測定条件が自社の想定と同じかを確認してから採用します。条件が不足する結果は即座に捨てず、未確認として保留し、追加情報または再測定の担当と期限を決めます。
試料採取の偏りにも注意します。反のどこから採ったかが不明な結果を、すべての反へ自動適用しないでください。同一ロット内で差が見られた場合は、反番との対応を残し、裁断計画や追加確認の範囲を品質担当と工場で決めます。
測定記録と版管理の運用を整理したい方は、資料請求で関連情報をご確認ください。
測定結果を型紙と量産へ反映する

縦横の結果から補正要否を判断する
補正判断では、縦横の結果を製品の丈・幅へ対応させます。ただし、測定値をそのまま全パーツへ加算する方法は避けます。地の目、接着芯、切替、縫い合わせる異素材、仕上げ工程、製品の機能を確認し、部位ごとの影響を検討します。表地と裏地で変化が違う場合は、片方だけを補正するとつれや形崩れが起こる可能性もあります。
判断材料には、顧客寸法表、許容差、承認サンプル、過去ロット、試作結果を使います。補正不要とする場合も、誰がどの根拠で判断したかを残します。サイズ展開・グレーディングへの影響も確認し、基準サイズだけでなく展開サイズで同じ考え方が成り立つかを見ます。補正率や合否閾値は自社で創作せず、案件ごとの合意に基づきます。
複数素材を組み合わせる品番では、単独の結果だけでなく完成品での相互影響を確認します。表地、裏地、芯地、縫糸などの変化方向が違う場合は、部材ごとの補正だけで解決しないことがあります。試作で縫い目、つれ、ねじれ、丈幅の状態を見て、補正案を見直します。
パターン版・仕様・検品基準を改訂する
補正を採用したら、新しいパターン版を発行し、変更箇所、理由、参照した測定記録、適用する生地ロット、承認者を記録します。旧版を上書きせず、どのサンプル・POがどの版を使ったかを追えるようにします。アパレル縫製仕様書の寸法、縫製条件、使用材料にも影響がないかを確認します。
アパレル検品基準書では、改訂後の仕上がり寸法と測定位置を同期します。型紙だけが新版で、検品側が旧寸法を使う状態を避けます。工場へは、版番号、適用開始PO、対象ロット、旧版パターンの回収・識別、初回確認方法を伝え、受領確認を残します。関連資料の更新完了日を一覧にすると、変更漏れを発見できます。
デジタルデータと紙型の両方を使う場合は、それぞれの版と配布先を記録します。古い紙型を保管するなら使用停止を明示し、作業場所から分離します。工場が出力した型紙についても、元データの版、出力日、尺度確認を残し、再出力時の取り違えを防ぎます。
承認サンプルと量産寸法で検証する
補正案は、パターン上の計算だけで完了させず、承認用のサンプルでシルエット、主要寸法、縫い合わせ、仕上げ後の状態を確認します。使った生地ロット、パターン版、縫製条件を記録し、顧客または社内の承認結果を結びます。修正が入った場合は、同じ版番号のまま差し替えず新しい版に進めます。
量産では初回ロットの寸法を確認し、承認サンプルとの差とばらつきを記録します。量産GO判断へ、測定条件、補正内容、未解決事項、追加確認点を渡します。結果が想定と違うときは、型紙だけでなく、生地ロット、裁断、縫製、仕上げ条件を切り分け、原因を確認してから次の処置を決めます。
量産確認の対象数量や部位は、品番のリスクと顧客基準に基づき決めます。結果が承認範囲内でも、特定サイズや反番に偏りがないかを確認します。追加補正が必要なら、仕掛品への処置と次ロットへの版変更を分け、対象境界を記録します。
縮率測定から版更新までの工程表

条件・結果・判断・承認・適用を1本につなぐ
測定記録とパターン管理を別々に置く場合も、共通の品番、生地ロット、変更番号でつなぎます。次の表は、条件の確認から量産検証までを一行で追うための記録様式です。数値欄には、採用した試験条件と実測結果をそのまま記録し、一般値を入れません。
| 品番 | 生地・ロット | 測定条件 | 縦横の前後寸法・結果 | 補正要否・根拠 | パターン版 | 仕様・検品基準版 | 承認者・日 | 量産検証 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対象品番 | 生地品番・色・ロット | 方法・処理・方向 | 原票を参照 | 部位別判断を記入 | 新旧版 | 関連資料版 | 承認記録 | 初回ロット結果 |
| 対象品番 | 生地品番・色・ロット | 方法・処理・方向 | 原票を参照 | 保留理由を記入 | 未発行 | 現行版 | 確認担当 | 追加測定後に判断 |
工程表の状態は、未測定、測定済み、補正案作成、サンプル確認、承認済み、量産検証済みなどに分けます。承認待ちを完了扱いしないことが大切です。アパレルBOMでも採用した生地ロットや代替条件を確認し、材料変更があれば測定結果の適用可否を再判断します。
担当者が変わっても判断経緯を再現できるよう、原票、補正案、承認回答、改訂版、量産結果の保存場所を結びます。メールの添付だけに残さず、品番と変更番号から一式をたどれる状態にします。未解決事項には回答担当と期限を置きます。
生地の縮率と型紙補正に関するよくある質問

縮率とストレッチ率は同じですか
同じものとして扱いません。縮率は所定条件の前後の寸法変化を確認する考え方で、ストレッチ率は力を加えたときの伸びに関する指標です。測定目的、方法、方向、表記が異なります。どちらも製品設計に関係する場合がありますが、一方の結果で他方を推定せず、必要な確認を分けます。
記録上も項目を分け、型紙補正、着用機能、縫製条件のどの判断に使ったかを明記してください。
測定結果をそのまま型紙へ足せばよいですか
一律には足しません。縦横方向、製品部位、地の目、異素材との縫い合わせ、芯地、仕上げ、顧客寸法基準を確認し、補正案を作ります。その後、サンプルで寸法とシルエットを検証し、承認を得て版を更新します。結果の適用範囲が特定ロットだけか、同じ材料品番へ広げられるかも判断します。
計算値だけで量産へ進まず、現物検証と承認の履歴を残してください。
ロットが変わるたびに確認しますか

変更の内容とリスクに応じて確認方針を決めます。生地規格、色、加工先、加工条件、仕入先などが変わった場合は、既存結果をそのまま使えるかを再検討します。毎回同じ確認をするか、証明書の照合にするか、抜き取りで測るかは、顧客要求や検査機関との合意、自社の履歴に基づきます。既存結果を適用する場合も、対象ロット、参照結果、適用理由、承認者、確認日を残します。
見積原価と実際原価の差異分析へ試作や再測定の費用影響も渡します。
測定記録と版管理のつながりを整理し、運用の見直しを検討する場合は、導入相談をご利用ください。
「アパレルODM HUB」でできること
- 素材管理:素材マスタ(仕入先・原産国・素材種別)
- サンプル管理:サンプル試作履歴
- ブランドCRM:ブランドマスタ・担当者情報
- 提案管理:提案案件パイプライン
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