PFASと繊維の撥水加工規制|アパレルODMが確認・記録する手順【2026年版】
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PFASと繊維の撥水加工規制|アパレルODMが確認・記録する手順【2026年版】

2026年9月30日17分で読める

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PFASと撥水加工を確認するときは、「PFASフリー」という表示だけで結論を出さず、どの要求に対して、どの物質群を、どの加工剤・品番・色・ロットまで確認したかを記録します。PFASは多数の物質を含む総称であり、法令、顧客基準、販売先の要件では対象範囲や確認方法が同じとは限りません。

アパレルODMの実務では、生地メーカー、撥水加工先、薬剤供給者から得た情報を、宣言書や試験報告と一緒に品番へ結びます。本記事では、要求の受領から関係先への照会、証憑の整合確認、変更管理、出荷判断までを一つの記録にまとめる手順を整理します。

PFASと撥水加工で最初に確認する範囲

最初に固定するのは、販売先、対象製品、適用される要求、回答期限、判断者です。一般的な知識だけで自社品の適否を決めず、顧客から受け取った仕様書、禁止物質リスト、提出書式、更新通知の版と日付を確認します。アパレル製品法務ガイドに沿って、法令確認と顧客契約上の確認を分けてください。

撥水加工品の顧客要求と法令と証拠範囲を分けて確認する図解
撥水加工品の顧客要求と法令と証拠範囲を分けて確認する図解

PFASを一括りにせず対象要求を確認する

照会の入口では、「PFASを使用しているか」という一問だけにしません。顧客が対象とする物質・物質群、意図的使用の扱い、含有や残留に関する確認方法、対象となる生地・付属・加工、提出を求める証憑を読み分けます。要求文に定義や別紙がある場合は、その版まで記録します。

同じ「PFASフリー」でも、回答者が薬剤処方を確認したのか、加工先の購入品一覧を確認したのか、試験を実施したのかで根拠が違います。表示文言をそのまま台帳へ写すのではなく、発行者、対象薬剤、対象加工、対象品番・色・ロット、有効期間、判断の根拠を分けます。アパレル有害物質規制の確認項目とも対応させると、物質名だけが独立するのを防げます。

対象外という回答を受けた場合も、何が対象外なのかを確認します。製品が対象外なのか、照会した薬剤に特定物質の意図的使用がないのか、試験対象外なのかは別の意味です。曖昧な回答は推測で補完せず、質問日、再照会先、回答待ちの状態を残します。

日本の法令・顧客基準・海外要件を分ける

日本での確認は、対象物質と製品・用途の関係を公式情報で確かめます。化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令では、PFOS、PFOA、PFHxSなどに関する規定と、輸入が制限される製品の区分が定められています。ただし、これを根拠にPFAS全体が同じ条件で規制されると一般化してはいけません。

顧客基準は、法令の対象と一致するとは限りません。法令上の確認、顧客が自主的に定めた禁止・報告範囲、販売国・地域で求められる確認を別欄にします。海外要件は国・地域、物質、製品区分、用途、適用日が変わり得るため、この記事だけで適否や施行時期を決めず、最新の公的情報と顧客指定を確認してください。

日本の法令と顧客基準と海外要件を別欄で管理する図解
日本の法令と顧客基準と海外要件を別欄で管理する図解

要求と証憑を品番へ結ぶ運用を整理したい方は、導入相談をご利用ください。

加工先への照会から出荷判断まで

要求範囲が決まったら、製品を構成する材料と加工工程へ展開します。窓口企業だけへ質問して終わらせず、誰が生地を供給し、誰が撥水加工を行い、どの薬剤がどの工程で使われる可能性があるかを追います。回答が届く順序と出荷日程を並べ、未確認のまま進む工程を見える状態にします。

生地・加工・薬剤の関係先を洗い出す

品番ごとに、表地、裏地、付属、生地メーカー、染色整理工場、後加工先、縫製後加工の有無を一覧にします。撥水性のある素材だけでなく、防汚や機能付与など別名の加工、持込薬剤、委託先が再委託する工程も確認対象になり得ます。加工指示書、発注書、仕様書から実際の供給関係を確かめます。

照会票には、顧客要求の名称と版、対象物質の範囲、回答対象の薬剤・加工・品番、必要な証憑、期限、回答責任者を記載します。「対応済みですか」という質問だけでは、別の顧客基準に対する回答が返るおそれがあります。薬剤名が機密で開示されない場合も、開示できる範囲、確認した担当、代替証憑の有無を記録し、証拠がない状態と適合確認済みを混同しません。

生地メーカーと撥水加工先と薬剤供給者を品番へ結ぶ図解
生地メーカーと撥水加工先と薬剤供給者を品番へ結ぶ図解

宣言書・試験報告の対象とロットを確かめる

宣言書は、発行者、発行日、対象物質、対象薬剤・生地・加工、品番、色、ロット、有効期間を確認します。会社全体の方針書や一般的な商品説明を、個別品番の適合証明として扱いません。顧客指定の文言や署名要件がある場合は、受領書式との一致も確認します。

試験報告書では、検体の名称、材質、色、採取元、加工条件、ロット、試験対象物質、試験方法、発行日、結果を読みます。繊維試験成績書の読み方を参照し、報告書の検体が今回の出荷品とどの条件で一致するかを説明できるようにします。報告書が存在するだけで、別色、別加工条件、後続ロットへ自動的に転用できるとは限りません。

書類間の品名が違う場合は、品番対応表や発注番号で同一性を確認します。宣言書は薬剤、試験報告は加工済み生地、出荷判断は完成品というように対象階層が異なるため、それぞれのつながりを台帳へ記録します。判定に迷う場合は、試験機関や顧客へ対象範囲を確認し、確認者と回答日を残してください。

変更・欠落・期限切れを再確認する

量産前後に、薬剤、仕入先、加工工場、生地組成、色、レシピ、加工条件が変わっていないかを確認します。初回確認後に代替薬剤へ切り替えた場合、旧薬剤の証憑を新しいロットへ使い続けません。変更日、変更前後、影響する品番・ロット、再照会・再試験の要否、承認者を残します。

証憑の欠落、期限切れ、対象不一致がある場合は、出荷判断を保留できる状態にします。不足書類の取得、対象の再確認、追加試験、顧客照会などの次動作と期限を決め、誰が解除できるかを明記します。サステナビリティ表示で扱う対外表示も、確認済みの範囲を超える表現にしないことが重要です。

出荷可否は、単独の担当者の記憶で決めず、要求、証憑、変更有無、未確認事項を一覧で見て承認します。認証や管理体系の確認が必要な場合は、GOTS・OEKO-TEXと工場を参照し、認証の対象範囲と今回の品番が同じかを別途確かめます。

証憑の欠落や期限切れや加工変更から出荷保留を判断する図解
証憑の欠落や期限切れや加工変更から出荷保留を判断する図解

PFAS対応の証拠台帳

品番・加工・証憑・提出先・判断を結ぶ

証拠台帳は、書類の保管場所を示すだけでなく、顧客要求から出荷判断までの対応関係を示します。品番を起点に、加工先、薬剤照会、宣言書、試験報告、色・ロット、顧客提出、変更、最終判断を一行で追えるようにします。縫製不良の種類と原因など品質記録と併用する場合も、化学物質確認と外観・縫製の合否は別の判断として保持します。

撥水加工品の品番と証憑と提出先と出荷判断を結ぶ台帳図解
撥水加工品の品番と証憑と提出先と出荷判断を結ぶ台帳図解
管理項目記録する内容確認結果・次動作
顧客要求要求名、版、対象物質、期限適用範囲を確定
品番製品番号、素材、用途対象材料を展開
撥水加工工程、加工内容、実施時点照会対象を確定
加工先工場・再委託先、窓口回答責任者を特定
薬剤照会薬剤、供給者、照会日、回答未回答を再照会
宣言書発行者、対象、発行日、有効期間要求との一致確認
試験報告検体、対象物質、方法、発行日適用可能範囲を確認
色・ロット生地色、加工・生産ロット証憑との対応を確認
変更日薬剤、加工先、条件の変更前後再照会・再試験を判断
提出先顧客、販売先、提出日受領・追加依頼を記録
出荷判断可、保留、不可、承認者、判断日未確認事項を管理

台帳は要求や証憑の更新時だけでなく、発注、量産開始、出荷前の節目で照合します。ファイル名だけでは対象を判別できない場合は、台帳に保存先と識別番号を記載し、旧版を誤って参照しないよう状態を分けてください。出荷後に追加照会を受けた場合も、当時参照した証憑、版、承認記録をたどれる状態を保ちます。

PFASと撥水加工に関するよくある質問

PFASフリーと書かれていれば確認は終わりますか

表示だけでは終わりません。誰が、どの物質範囲について、どの加工剤・加工工程・品番・色・ロットを対象に、何を根拠として表示したかを確認します。顧客要求の定義と宣言書・試験報告の対象が一致するかを照合し、不一致や不明点は再照会してください。

海外の規制時期はこの記事だけで判断できますか

判断できません。国・地域、対象物質、製品区分、用途、適用日によって要件が異なり、改定もあり得ます。販売先ごとの最新の公的情報と顧客要求を確認し、確認日、参照した版、適用判断を記録してください。

試験報告書があれば全ロットに使えますか

自動的には使えません。検体、素材、加工条件、色、加工・生産ロット、発行日、試験対象物質の範囲を今回品と照合します。別ロットへ適用できるか不明な場合は、試験機関または顧客へ確認し、回答と判断者を記録してください。

PFAS対応は、用語を確認するだけでなく、顧客要求、加工工程、証憑、変更、出荷判断を品番単位でつなぐ業務です。証拠台帳や照会手順の整備を検討する場合は、資料請求から関連情報をご確認ください。

「アパレルODM HUB」でできること

  • 素材管理:素材マスタ(仕入先・原産国・素材種別)
  • サンプル管理:サンプル試作履歴
  • ブランドCRM:ブランドマスタ・担当者情報
  • 提案管理:提案案件パイプライン
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